金融の面から見た日本で個人が活躍しづらかった理由は次の2つです。
① 実体経済で得たお金より金融経済で得たお金の方がはるかに多くなってしまい、そのお金で物を買い占め、物価が高くなってしまったから
② 1円も売らなくても給料がもらえる雇用という制度
①の実体経済で得たお金とは物やサービスを売って得たお金のこと、金融経済で得たお金とはここでは銀行貸付(借金)のことだと考えて大丈夫です。
バランスシートが読める方は知ってると思いますが、日本全国で名の知れている大企業ですら資産(金額ベース)の約半分は負債(借金)です。
たとえばパソコンを買いたいとき、借金で買うのと働いたお金で買うのでは借金で買ったほうが手間がかからず早いですよね? 借金で買おうがパソコン自体は自分のものになります(借金が返せなくなった場合は売却しなければいけませんが)。
そうやって会社が借金によって物を買い占めることによって物価が高くなってしまったのです。しかも会社の借金は数十万、数百万単位ですから、物価の上がるスピードはより早いです。
「日本のGDPの6割は個人消費じゃないの?」と思う方・・・実は従業員がもらう給料もほとんど会社の借金で出来ているんですよ。まさに前述した②の1円も売らなくても給料がもらえる雇用という制度が原因です。
経営者は雇用している以上1円も成果をあげていなくても従業員に給料を渡さなければいけません。雇用とは成果に関係なく働いた時間によって給料を渡すという時間給の考え方なのです。
このご時世右肩上がりで負債がどんどん減っている会社なんてほとんどありません。事実上会社の借金をそのまま従業員に給料として渡しているようなものですよね。
もちろん成果を上げなくても給料をもらえるなんてことが長続きするわけがありません。雇用という制度は一部の職業を除き、限界が来ており、物価は今は山を超え下り坂となっています。
絶対に勘違いしないでいただきたいのですが、「個人もどんどん借金するべきだ」と言ってるわけではありません!
借金は気質によって向き不向きがはっきりと分かれるのでそう簡単に決めるものではありません。
しかし借金と雇用というしくみで物価がどんどんあがってしまったというしくみはぜひ知っておくべきですよ。(^^)/
フリーランス通訳 遠藤英誠